日本の衆議院議員総選挙:安倍政権の圧倒的勝利

安倍晋三首相率いる自民党とその連立パートナーは圧勝を収め、衆参両院で安定的過半数を維持することになりました。その結果、日銀の大規模金融緩和を含む「アベノミクス」が継続されるとみています。

  • 安倍連立政権が圧勝し、再び「絶対的過半数」を獲得する見込みです。この勝利は日本株式に若干プラスに作用し、円安材料になるとみられます。
  • 日本の財政政策と金融政策に大幅な変更はないでしょう。日銀は超緩和的な金融政策を継続するとみられます。
  • 安倍政権は2019年の消費税率引き上げをめざすと思われますが、プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の目標は先送りされる可能性があります。

今回の選挙結果は日本株式に若干プラスの影響を与えるとみられるものの、直近の力強い株価上昇を受けて、利益確定売りが拡がる可能性もあると考えています。ブラックロックは、世界経済の同時拡大に支えられた成長、魅力的なバリュエーション、力強い収益モメンタムを評価し日本株式を強気にみています。その中でも、堅調な収益を達成しながら、市場インデックスとの比較で出遅れていると思われる自動車、運輸、不動産などのセクターに投資妙味があると考えています。選挙結果は若干の円安要因、かつ日本国債にとってマイナス要因になるともみています。

選挙での勝利を受けて安倍首相は引き続き自民党総裁を務める見込みです。財政政策や金融政策に大幅な変更はないとみられます。2018年に任期満了となる黒田東彦日銀総裁が、日銀総裁としては初めて二期目を務める可能性は50%に満たないと思われます。黒田総裁が退任した場合でも、インフレ率が依然として2%の目標を大きく下回る中で、後任は国債利回りの目標水準の維持と資産購入を継続する、これまで通りのハト派的政策を継承する公算が大きいでしょう。しかし、日銀の舵取りを行う新しい総裁をめぐって不透明感が強まる恐れがあります。

自民党は、衆議院で再びいわゆる「絶対的過半数」を獲得し、それを背景により強力に改革を推し進めるとみられます。安倍政権は予定通り消費税率引き上げに踏み切るものの、新たな歳入を幼児教育や膨らむ社会保障費に割り当てると思われます。その一方でプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標は2020年以降に先送りされる可能性があります。これは債券にとってマイナス材料であり、日本の信用格付引き下げの要因となるかもしれません。

ブラックロックは日本経済に対して強気の見通しをとっています。経済指標は個人消費と輸出に牽引されて景気が順調に拡大していることを示しており、失業率は25年ぶりの低水準に下がっています。しかし、インフレ率が低水準にあることから、日銀は超緩和政策を継続するとみられます。ブラックロックGPS(経済予測モデル)は、日本がトレンドを大きく上回る水準の経済成長が続くことを示唆しています。国内経済の活況と円が緩やかな円安傾向で安定していることを背景に、企業収益は堅調に拡大し、日経平均株価を21年ぶりの高値圏に押し上げています。世界の債券利回りが上昇すれば、満期10年以上の日本国債の利回りも上昇する可能性があります。

小池百合子東京都知事は、今年初めに自ら党を率いて都議会の過半数を掌握し、自民党は完敗しましたが、今回は安倍首相が小池知事が新しく立ち上げた希望の党を退けました。安倍首相が今回の選挙において大差で勝利したことによって、2018年後半に予定されている自民党総裁選挙において他の候補者と対決することを回避できるかもしれません。今後の動向は、数カ月間における安倍首相の支持率の次第でしょう。

新たに結成された中道左派の立憲民主党は希望の党を上回る議席を獲得し、かつての主要野党の消滅によって生まれた空白を満たす最大野党となりました。安倍首相は複数のスキャンダルによって慢心している印象を与え有権者の失望感が高まっていました。しかしながら、野党の混乱に乗じて選挙を実施するという安倍首相の策略は成功を収めた模様です。

※2017/10/23時点の見方であり、その後の政治、経済、市場の変動等については反映しておりません。

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