NISAとは*
NISA(ニーサ)とは、「少額投資非課税制度」のことです。その名の通り、「少額」の範囲内で行う「投資」についてはその運用収益を「非課税」とする仕組みです。
イギリスの同種の制度ISAを参考に作られたので「日本版(N)ISA」という愛称が作られ、今ではNISAのほうが一般的な名称となっています。本家のイギリスではISAを通じて個人の資産運用機会が増え、投資金額も増大しました。日本でも個人が投資をするきっかけとしてNISAがスタートしたのです。
NISA制度は2014年1月にスタートしました。スタート時点では期間限定での制度としてスタート、上限は年間100万円まで、非課税期間は5年間など、制限がありましたが、何度か制度改正が行われて枠が広がるなど広く国民に利用されるようになりました。
国の掲げた資産所得倍増プランの一環で、さらなる大幅な規制緩和が行われることとなり、2024年1月から「新NISA」として大幅に魅力が拡大しています。それでは詳しくご紹介していきましょう。
NISAの種類*
NISAには2つの枠があります。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」です。それぞれ年間投資額や購入できる商品に違いがあります。
NISAの「つみたて投資枠」 |
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| まずつみたて投資枠について説明しましょう。つみたて、という名前があるとおり、定期的な積立投資を行う枠組みとなっています。銀行口座やクレジットカードを連携させ、指定日に指定金額を引き落とし、積立投資を行います。 年間で最大120万円まで投資することができます。 毎月一定額を積み立てるのが基本ですが、ボーナス月に増額を行うということもできます。 つみたて投資枠においては、金融庁が長期積立投資に向くと判断したガイドラインをクリアした投資信託などが対象となります。特に低コストの投資が行えることを重要視しており、つみたて投資枠の範囲内なら安心して商品選びができます。 投資というと、まとまった資金を何度も売買するイメージがありますが、少しずつ投資元本を積み増していき、長期的な視点で経済の成長による値上がりを得ていく投資方法に向いているのがつみたて投資枠の活用法です。 |
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NISAの「成長投資枠」 |
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| NISAの投資枠のもうひとつは「成長投資枠」です。こちらは年間240万円まで投資でき、つみたて投資枠より大きくなっています。また、購入のタイミングは自由に設定できるので、一般的な投資の売買に近いイメージで利用することができます。 投資対象も幅広く、つみたて投資枠では購入できない個別企業の株式、リスクの高い投資信託なども購入できます(もちろんつみたて投資枠で購入できる投資信託も購入できます)。 投資経験者など、タイミングを見て購入したい人や、株主優待など個別株での投資に興味がある人、つみたて投資枠の範囲を超えて投資を行いたい人は成長投資枠を利用していくといいでしょう。 |
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NISAの特徴*
投資可能期間と非課税期間
新NISAになって、制度は恒久化されています。実は以前のNISAは期間限定の制度であったため、じっくり長期投資を行えるか不安がありました。これからのNISAは安心して長期投資を行えるようになっています。
国内に居住する成人であれば誰でも口座開設できます。年齢の上限もありませんので、生涯にわたって資産形成の伴走者としてNISA制度を活用することができます。
制度の恒久化は、非課税投資期間の延長でもあります。従来のNISA制度は投資をした年から数えて5年目(あるいは20年目)という非課税投資の区切りがあり、制度をややこしくしていましたが、自身がお金を使いたいと考えるまで好きなだけ投資を続けることができます。
年間の投資上限額(非課税枠)
新NISAになってから、1年間に投資できる金額が大幅に拡大しました。つみたて投資枠は年間120万円まで投資が行えますが、これは旧制度(つみたてNISA)の3倍です。成長投資枠は年間240万円まで投資が行えますが、これも旧制度(一般NISA)の2倍です。
しかも、新NISAにおいてはつみたて投資枠と成長投資枠は同時に1口座内で使えることになりました。合計すると年間360万円まで非課税投資が行えることになります。旧つみたてNISAと比べるとなんと9倍にも枠が広がった、ということです。
生涯投資枠
年間投資枠が大幅拡充、制度は恒久化されたことから、新NISAでは「生涯投資枠(非課税保有限度額)」という上限が設けられることになりました。
これは購入時の価格で総額1800万円までNISAで非課税投資が行える、というものです。その後の値上がりはカウントしませんので、資産残高が1800万円を超えてもかまいません。今どれくらいの投資をしているかは口座を持っている金融機関のサイトにログインするなどして確認ができます。
また、つみたて投資枠の活用、長期積立分散投資を促す観点から、成長投資枠の利用上限は1200万円までとなっています。もし1800万円の非課税投資枠をフル活用したい場合は、2つの投資枠を有効活用し、少なくともつみたて投資枠で600万円以上の投資をすることが求められます(つみたて投資枠だけで1800万円を使い切ってもかまいません)。
売却
NISA口座で投資を行う金融商品は、金融機関の営業日であれば(あるいは株式市場が開いている時間であれば)、いつでも売却の注文を出すことができます。NISA制度上、一定の保有期間を義務づけるような売却制限、年齢制限はありません。
売却の注文が成立した場合、その場で非課税投資は終了し、売却金額の全額を受け取ることになります。この段階で税制上の手続きも完結しており、確定申告を行わなくても非課税投資を終わらせることができます。
もし、1800万円の投資上限に達していた場合、売却した商品の取得金額に相当する分、非課税投資枠が復活することになりますが、これは翌年(1月)になります。年単位の非課税投資枠は売却があっても復活することはありません。
NISAのメリット・デメリット*
NISA制度はもともと多くのメリットがある制度でしたが、新NISAに変わったことで、さらにそのメリットが拡充されています。
まず、NISA最大のメリットは運用益が非課税になることです。値上がり後の売却益、配当や収益分配金などの収益はすべて非課税となります。投資にかかる収益は20.315%(復興特別所得税含む)が課税されることとなっていますが、これが非課税となり収益の全額を受け取ることができます。この差は資産形成において大きな違いを生みます。
新NISAでは制度自体が恒久化され、投資期限も無期限化されました。期限を気にせず長期投資を行えることも使い勝手を大きく改善しています。
投資枠が大幅拡大したこともメリットです。旧制度の一般NISAでは総枠は600万円(年120万円×5年分)でしたが、つみたて投資枠、成長投資枠をフル活用した場合、投資元本1800万円まで非課税投資が行えます。年間投資額も大幅に広がり、投資の自由度が高まりました。
これはNISAに限るものではありませんが、投資にはリスクがあります。NISAで購入できる金融商品は、値動きによっては元本を割り込んでしまうこともあります。金融機関が元本を保証するなど損失を補てんすることはありませんのでご注意ください。
また、NISA口座を通じた投資で損失が生じて売却をした場合、他の証券口座と分離して処理されます。そのため、課税口座における投資の損失を利益と相殺して納税額を確定する仕組み(損益通算という)の対象となりません。また、損失が出た場合の繰越控除という税処理も行えません。投資の世界ではよく「損切り」として、値下がりした銘柄などを売却する手法がありますが、NISAにあまり適したやり方とは言えません。
そのほか、年間投資枠の未使用分は翌年に繰り越すことができません。また、同一年内に売却をしても枠が復活することもありません。
すでに上限の説明をしましたが、もし1800万円の上限に達した場合はそれ以上の購入ができなくなります。もしその年に一部の資産を売却した場合は、翌年の投資可能枠として復活することとなります。
* 出所:金融庁NISA特設サイト等を参考にブラックロック作成。https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html