スタイル・ファクター:
特定の資産クラス内で長期的に有効な要素

スタイル・ファクターは、特定の資産クラス内のリターンの相違を説明するものです。

一定の特徴を持つ銘柄は、歴史的にみて、リスク調整後ベースで市場全体をアウトパフォームする傾向があります。例えば、本源的価値に対して割安になっている銘柄(バリュー)や、上昇基調にある銘柄(モメンタム)は市場をアウトパフォームする傾向があり、その傾向は株式、債券、為替、コモディティの各市場で確認できます。そうした共通する特徴がスタイル・ファクターとよばれています。

スタイル・ファクター

債券や株式など、ある特定の資産の中で銘柄に共通する要因に着目することで長期的に魅力的なパフォーマンスを生み出すことが歴史の中で証明されてきました。

景気の局面により
有効なスタイルファクターは異なる

代表的な5つのスタイル・ファクターの特徴とともに各ファクターが有効な局面を紹介します。

経済成長率の水準

バリュー

バリュー

本質的な価値に対して割安となっている証券は割高な価格で取引されている証券よりもアウトパフォームします。この背景には、リスクに見合ったリターン(例えば、伝統的な製造業の企業は物理的な製造拠点を持ち、他の業種に比べて、機動性・柔軟性に欠ける)や、投資家の行動バイアス(古臭いバリュー株は成長株のとりことなった投資家には見過ごされがち)によって説明できます。バリューファクターは景気が回復モードにあり、景気の底から成長が加速する局面において最も効くと考えられています。

 

モメンタム

モメンタム

モメンタムはシンプルです。価格の上昇が続く傾向にあります。この背景にはリスクに見合ったリターン(値動きが反転した場合は、クラッシュも大きい)、投資家の行動バイアス(投資家の行動は既存のトレンドを助長する傾向にある)によって説明できます。モメンタムファクターは、景気拡大モードにあり、経済成長が加速し、そのトレンドが続く際に有効と考えられています。

 

キャリー

キャリー

金利が低いものよりも高いものが選好されるという直感に基づいています。株式では、配当利回りの高い銘柄が好まれます。

 

サイズ

サイズ

規模が小さく、小回りが利く企業が、大型の企業をアウトパフォームするという直感に基づいています。サイズファクターは、リスクに見合ったリターン(例えば、中小型の株式は大型と比較し流動性が劣り、市場全体の動きの影響を受けやすい)によって説明できます。バリュー同様、景気の回復局面において最も有効と考えられます。

 

ディフェンシブ
(ミニマム・ボラティリティ、クオリティ)

ディフェンシブ
(ミニマム・ボラティリティ、クオリティ)

これまでのスタイルファクターと異なり、ディフェンシブでは大きく分けてクオリティとミニマム・ボラティリティの特徴からなり、クオリティは、財務が健全な企業はそうではない同業をアウトパフォームするという直感に基づいています。
クオリティは投資家の行動バイアス(例えば、せっかちな投資家はニュースのヘッドラインにあるうわべの数字に惹かれる一方、逆張りの勤勉な投資家は決算の内容を細かく見る)によって説明できます。クオリティは経済成長が減速し、投資家が安全を求める際に有効と考えられます。
ミニマムボラティリティはリスクを抑制するために使用されます。値動きの小さい株価は市場全体と同水準のリターンをより小さいリスクで達成できるという考えに基づいています。バリューファクターの背景にあるのは、構造的な障壁(一部の年金など基金にはレバレッジ規制があり、運用目標達成のため、リスクの高い株式に向かう可能性がある)や投資家の行動バイアス(リスクが低い株式は大儲けのアイデアに囚われた投資家によって見過ごされる)です。バリューはクオリティに似ていますが、景気の減速や後退局面において、最も有効と考えられます。

 

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