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2022 MIDYEAR GLOBAL OUTLOOK

Back to a volatile future ~ボラティリティが高まる時代に回帰

私たちは、マクロのボラティリティが高まる新たな世界に臨んでいます。そして、投資家は債券と株式の両方を保有するリスクに対して、より高い対価を要求しています。ブラックロックは、戦略的な観点からは株式を推奨していますが、短期的にはアンダーウエイトとしています。
※ボラティリティは価格の変動性をさします。

投資テーマ

01

ボラティリティの上昇に備える

マクロと市場のボラティリティが高水準にとどまるレジームに突入しました。これは、市場の見通しをより迅速に見直し、きめ細かな対応をする必要があることを示唆しています。

02

インフレとの共存

FRBは利上げが成長と雇用に与える影響を目の当たりにし、最終的にはインフレの上昇と共存するとみています。今のところ、FRBはインフレの政治的側面にのみ対応しているように思われます。このため、ブラックロックはポートフォリオのリスクを縮小しました。

03

ネットゼロに向けたポジショニングの構築

炭素集約度は高いが、移行に対する着実な計画を持つ企業や、移行の鍵となる企業への投資により、投資家はネットゼロ移行に備えたポジションを持つことができ、移行に伴い生じる問題からの影響を和らげることにもつながるでしょう。

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グレート・モデレーションの終焉

1980年代半ばから新型コロナウィルスのパンデミック発生前の2019年まで続いたグレート・モデレーションは、成長とインフレの両方が安定していた驚くべき時代でした。需要主導の経済で、供給は着実に伸びていました。借り入れの急増が景気の過熱を招き、一方支出の急減が景気後退を招きました。中央銀行は金利の上げ下げによって、いずれの場合も対処できました。

こうした時代が終わったとブラックロックはみています。

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This chart shows that growth and inflation volatility has spiked since the onset of the pandemic, ending decades of stable growth and low inflation.

出所:BlackRock Investment Institute、米経済分析局および米労働省。Haver Analyticsのデータを使用。2022年3月時点。注記:グラフは、米国の実質GDPとコア消費者物価指数の年率換算した四半期変化率の標準偏差を示しています。

※標準偏差はデータの変動度合いを示す指標です。

レジームシフト

パンデミックは、生産とインフレ率のボラティリティが穏やかであった稀有な期間を覆しました。

生産制約

第一に、消費における大規模なシフトと労働力不足に起因する生産制約が、経済の足かせとなり、インフレを引き起こしています。

記録的な水準の債務残高

第二に、債務残高が記録的な水準にあり、僅かな金利の変動が政府、家計、企業に大きな影響を及ぼします。

あらゆる事象が政治問題化

第三に、あらゆる事象が過剰に政治問題化されるため、単純化された議論が広がり、政策対応が適切とは言いがたい状況になっているとみています。

ボラティリティの上昇に備える

この新しい市場環境は、1980年代初頭を彷彿とさせます。ブラックロックは、このレジームでのボラティリティに備え ています。中央銀行は生産制約に根ざしたインフレを抑制するために利上げを急いでいます。中央銀行は、経済成長を崩壊させるか、インフレと共存するかという厳しいトレードオフを認識していないのです。

FRBは経済活動の再開を阻止し、損害が顕在化してから軌道修正する可能性が高いです。このため、短い経済サイクルになるとともに、マクロと市場のボラティリティが高くなると思われます。利上げが成長率低下の引き金となれば、株式は苦境に立たされます。政策当局が更なるインフレを容認すれば、債券価格は下落します。いずれにせよ、マクロ環境は株式・債券ともに、強気相場を持続させるものではなくなると私たちは考えています。リスク・プレミアが全体的に上昇し、ポートフォリオの配分はより細かく、より機敏になる必要があると思われます。

インフレとの共存

ブラックロックは、インフレと共存していくことになると考えています。インフレ抑制が叫ばれていますが、政策立案者は最終的にインフレと共存することになると見ています。長期ポートフォリオでは、引き続き株式をオーバーウェイトとし、国債をアンダーウェイトとします。この新しいレジームでは、投資家は長期債の保有にさらなる対価を求めると予想されます。成 長 が 停 滞 す る リ ス ク は 高 い と 考 え 、株 式 を ア ン ダー ウ エ イト に 変 更 し ます 。現在では、デフォルトのリスクはないと見ているため、クレジットでリスクを取ることを選好します。

ネットゼロに向けたポジショニングの構築

炭素排出量ゼロへの厳しい移行が新たなレジームを形成するとブラックロックはみており、投資家はネットゼロに向けてポジションを取り始めるべきだと考えています。この移行においてコモディティが重要な役割を果たすと考えられるため、投資家は化石燃料と持続可能な資産の両方に強気になることができると考えています。しかし、社会の嗜好の変化により、サステナブル資産が今後数年間、リターンの面で優位に立つ可能性があることを、調査をもとに想定しています。

見直す態勢は整っている

ブラックロックは、戦略的な観点からは引き続き株式投資を推奨しますが、短期的にはアンダーウェイトとします

グレート・モデレーションの期間に構築された、「リスク資産 のディップ(一時的な落ち込み)を買う」というバイアスは、以前ほどは機能しないと思われます。マクロのボラティリティが大きくなり、経済サイクルが短くなり、市場のボラティリティが大きくなる新しいレジームでは、ポートフォリオのポジショニングにダイナミックなアプローチが必要になります。ブラックロックは、ポートフォリオがより迅速に変更する必要があると確信しています。

見直す態勢は整っている

ポートフォリオがより迅速に変化する必要があるとブラックロックは確信しています。例えば、株式やクレジットについては、インフレ率が目標を上回って推移しているため、中央銀行が政策にブレーキをかけた場合、私たちはよりネガティブになる可能性があります。上記のレポート全文をダウンロードいただき、当社の投資見解の変化の兆しについて詳細をご覧ください。

各資産クラスの見通し

幅広い資産クラスに関する戦略的(長期)ならびに戦術的(6~12カ月)見通し:2022年7月

資産クラス 戦略的見通し 戦術的見通し コメント
株式 Equities: strategic Overweight +2 Equities: tactical Underweight -1 株式については、5年もしくはそれ以上の戦略的視野に立ち、株式をオーバーウェイト。中央銀行は最 終 的 には一 定の インフレと共存し、短期的なリスクを見過ごすとみている。 戦術的な観点からは、中央銀行が政策を過剰に引き締め、経済活動が滞ると考えられるため、先進国株式をアンダーウ エイトに変更した。歴史的に高水準にある企業の利益率は、投入コスト上昇リスクにさらされている。
クレジット Credit: strategic Underweight -1 Credit: strategic Overweight +1 戦略的な観点からは、上場クレジットをアンダーウェイトしており、株式でリスクを取ることを選好している。戦術的には、利回り急騰とクレジットスプレッドの大幅な拡大、およびデフォルトリスクが抑制されていることを考慮し、クレジットをオーバーウェイトに引き上げた。現地通貨建ての新興国債券については、魅力的なバリュエーションと潜在的なインカムゲインを考慮し、オーバーウェイトとした。リスクプレミアムが大きく、投資家のインフレリスク を補うと考える。
国債 Government bonds: strategic Underweight -1 Government bonds: tactical Underweight -1 名目国債を戦略的にアンダーウェイトとし、満期が近い債券を選好している。インフレと債務レベルの上昇を背景に、投資家がより高い対価を要求すると考えられるため、長期債のアンダーウェイトを堅持する。その代わり、インフレ連動債を選好する。戦術的な観点からもアンダーウェイト、2022年に利回りが急上昇したとしても、長期債の利回りは上昇する方向にあるとみている。インフレが進行する中、ポートフォリオ分散の役割としてインフレ連動債を選好する。
プライべート市場 Private markets: strategic Neutral - 非伝統的なリターンの源泉は、付加価値と一層の分散効果を生む可能性があると信じている。ブラックロックの中立は、多くの適格投資家が保有する資産よりもはるかに大きな配分に基づいている。その中で、プライベート・エクイティをアンダーウェイトし、代わりにプライベート・クレジットなどのインカム資産を選好する。多くの機関投資家は、流動性リスクを過大評価しているため、プライベート市場への投資を控えていると考える。プライベート市場は複雑な資産クラスであり、すべての投資家にとって適したものではありません。

注記:上記の見通しは米ドルベースです。当資料は特定の時点における市場環境の評価を示すものであり、将来の出来事の予想または将来の成果の保証を意図したものではありません。読者は当資料中の情報に、特定のファンド、戦略あるいは証券に関するリサーチまたは投資アドバイスとして依拠すべきではありません。

各資産の戦術的見通し

各資産クラスの6~12カ月の戦術的見通しと確信の度合いに基づく世界の資産クラス全体に対する見方:2022年7月

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資産クラス 戦術的見通し コメント
株式
先進国市場 Developed markets: tactical Underweight -1 先進国株式について、マクロ環境の悪化とコスト増による企業の利益率へのリスクを理由に、アンダーウエイトに引き下げた。中央銀行は成長率を押し下げることでインフレを抑制しようと考えているとみられ、コロナ後の活動再開が頓挫するリスクが高まっている。
米国 United States: tactical Underweight -1 米国株式をアンダーウェイト。FRBは利上げを景気抑制的な領域まで引き上げる意向があると考える。年初来の株価下落はこのことを一部反映している。ただ、バリュエーションは企業収益の悪化を反映するほどには低下していない。
欧州 Europe: tactical Underweight -1 欧州の株式をアンダーウェイト。ウクライナの悲惨な戦争の余波による新たなエネルギー価格ショックで、スタグフレーションのリスクにさらされていると考える。
英国 U.K.: tactical Underweight -1 英国株式をアンダーウェイト。エネルギーセクターへの高いエクスポージャーのおかげで、他の先進国市場に対して堅調なパフォーマンスを示していると考えている。
日本 Japan: tactical Neutral 日本株は中立。金融緩和の継続と配当の増額を評価。世界経済の成長鈍化はリスクと考える。
中国 China: tactical Neutral 中国株は中立とする。中国の経済活動は再開されつつあるが、2022年の経済成長率は公式目標を下回るとみている。中国とロシアの関係をめぐる地政学的な懸念は、リスクプレミアムの上昇を求めると考える。
新興国市場 Emerging markets: tactical Neutral 新興国の株式は中立とする。世界的な成長の鈍化が背景。資産クラスでは、コモディティ輸入国より輸出国を選好する。
日本を除くアジア Asia ex-Japan: tactical Neutral 日本以外のアジア株式は中立。中国の短期的な景気回復はプラス材料だが、オーバーウェイトに転じるほど魅力的なバリュエーションとは考えていない。
債券
米国債券 U.S. Treasuries: tactical Underweight -1 米国債は利回りが急上昇しているが、アンダーウエイト。投資家がより高いタームプレミアムを要求しているため、長期債の利回りはさらに上昇するとみている。その代わりに、短期債を選好し、イールドカーブのスティープ化を予想する。
グローバル物価連動国債 Global inflation-lined bonds: tactical Overweight +1 世界のインフレ連動債をオーバーウェイトしており、現在は欧州を選好している。5月以降、ユーロ圏のブレークイーブン金利が引き下げられていることは、市場がエネルギーショックによるインフレ圧力を過小評価していることを示唆していると考える。
欧州の国債 European bonds: tactical Neutral 欧州の国債は中立とする。ユーロ圏の利上げに対する市場の見方はタカ派的すぎると考えている。
英国債 U.K. gilts: tactical Overweight +1 英国債をオーバーウエイトに引き上げる。名目国債としては同債券を選好。ECBの利上げに関する市場の評価は、成長率の悪化の観点から、非現実的なまでにタカ派的であると考える。
中国国債 China government bonds: tactical Neutral 中国国債は中立とする。政策当局が景気減速を補う緩和的な政策の導入に遅れをとっており、利回りはもは先進国国債と比較して魅力的ではないと考える。
グローバル投資適格債 Global investment grade: tactical Overweight +1 魅力的なバリュエーションを理由に、投資適格社債をオーバーウエイトに引き上げた。高格付け企業の強固なバランスシートは、株 式との比較でクレジットの方が弱い成長見通しを乗り切れる可能性を示唆している。
グローバル・ハイイールド債 Global high yield: tactical Neutral ハイイールド債は中立とする。マクロ環境が悪化する中、質の高いクレジットへのエクスポージャーを選好。ただ中には、魅力的なインカムを提供する銘柄が一部あると思われる。
新興国債券(ドル建て) Emerging market-hard currency: tactical Neutral 新興国債(ドル建)を中立とする。コモディティ価格の上昇が債券を下支えすると考えているが、米 国債券の利回り上昇には引き続き脆弱とみている。
新興国債券(現地通貨建て) Emerging market-local currency: tactical Overweight +1 魅力的なバリュエーションと潜在的なイン カムを理由に、現地通貨建てのEM債券を小幅にオーバ ーウェイト。利回りの上昇はすでに新興国の金融引き締めを反映し ており、インフレリスクを埋め合わせる手段を提供していると考える。
アジア債券 Asia fixed income: tactical Neutral マクロの見通しが悪化する中、アジアの債券を中立とする。この資産クラスに対してポジティブな見方に転じるほどには、バリュエーションはまだ魅力的ではないと考えている。

注記:見通しは米ドルベースです。2022年7月時点。当資料は特定の時点における市場環境の評価を示すものであり、将来の成果の予想あるいは保証を意図したものではありません。当資料中の情報は、特定のファンド、戦略あるいは証券に関する投資アドバイスとして依拠すべきものではありません。

過去に例のない大規模なシフト

米国経済では、消費支出がサービスから商品へと移行し、過去最大のセクター間シフトが進みましたが、まだ正常化していません。需要の過熱というよりも、主要な支出のシフトと生産制約がインフレの力をけん引しています。

米国のカテゴリー別支出割合の絶対値変化:1960-2022年

This chart shows a massive an unprecendted of expenditure share during Covid relative to the normal shift in those shares historically.

出所:BlackRock Investment Instituteおよび米経済分析局。Haver Analyticsのデータを使用。2022年3月時点。注記:グラフは、米国個人消費支出の121の構成要素が名目消費支出に占める割合における、四半期ごとの絶対値の変化を表しています。急増は、パンデミック時にサービスから商品へ通常では発生しなかったシフトが起こったことを示しています。グレーのバンドは、今後6カ月から18カ月で新型コロナ発生前の支出構成に戻る場合に四半期ごとの変化の範囲を示しています。

金利感応度

高水準の債務の金利上昇に対する感応度が、金利を通じたインフレ抑制を困難にしています。中央銀行はインフレ率よりも経済活動を優先し、またその逆といったように両者の間で右往左往すると思われます。インフレ率の高進と短い景気サイクルがみられるかもしれません。

米国の債務純利払い額およびシナリオ:19902025

This chart shows that higher projected policy rates may result in higher net interest rate payments, which is problematic for debt repayments.

将来の見通しは実現しない可能性があります。過去の運用実績は現在あるいは将来の成果の信頼できる指標ではありません。出所:BlackRock Investment Institute、OECDおよび国際通貨基金。Haver Analyticsのデータを使用。2021年12月時点。注記:グラフは、過去の米国の純利払い額および5年間の時間軸における異なる金利シナリオに基づく米国の純利払い額の予測値を示しています。シナリオは、IMFによる米国債務の予測、および凡例に示している金利経路の異なる前提に基づく債務利払いコストの仮定の計算によって算出されています。

イールドが以前の水準に戻る

今、投資家はクレジットを保有することで恩恵を得ています。ほとんどの債券資産の利回りは10年以上ぶりに4%以上となっています。パンデミックに対する政策対応により、企業は緩衝材としてキャッシュを増強し、記録的な低金利で長期債を発行することができました。

債券インデックスにおける利回りが4%以上の債券の割合、1999~2022年

This chart shows that after more than a decade, most fixed income assets are now yielding 4% or more.

過去のパフォーマンスは現在または将来の成果を示唆する信頼できる指標ではありません。指数は運用されておらず、手数料の対象ではありません。また、指数に直接投資することはできません。出所:BlackRock Investment Institute。Refinitiv Datastreamのデータを使用。2022年6月時点。注記:上記の積み上げグラフは、特定のユニバース(Bloomberg Mulitiverse Bond Indexの約70%に相当)における年率利回りが平均で4%以上の債券セクターの時価総額の割合を表しています。ユーロ主要国はフランスとドイツの国債インデックスを基にしています。ユーロ周辺国はイタリア、スペインおよびアイルランドの国債インデックスの平均を基にしています。新興国債券には外貨建て債券と現地通貨建て債券が含まれています。

リスクプレミアムの上昇

This stylized chart shows that since the Covid-19 shock, the underlying volatility of demand and supply shocks has risen.

出所:BlackRock Investment Institute。2022年7月時点。注記:グラフは、グレート・モデレーションの期間(1985-2019年;緑の線)および新型コロナウィルスのショック以降(2020年から現在;オレンジの線)における米国のインフレおよび生産のボラティリティを図形化して表示しています。曲線は、中央銀行が経済を襲う需要ショックと供給ショックに対応する際に、生産(x軸)とインフレ(y軸)のボラティリティの達成可能な組み合わせを示しています。新型コロナウィルスのショック以降、オレンジの線が示すように、需要ショックおよび供給ショックの基調的なボラティリティが上昇しました。これは、今では、中央銀行がより顕著なトレードオフに直面していることを意味します。中央銀行はインフレの抑制に努めることができますが、その代償として生産のボラティリティが上昇します(結果は右下のインフレとの戦い)。または、インフレの上昇と引き換えに生産のボラティリティを抑制することもできます(結果は左上のインフレとの共存)。上記は例示のみを目的としています。

グレート・モデレーションは安定したマクロ環境をもたらし、株式と債券の数十年にわたる強気相場が実現しました。中央銀行は、緩和政策によって需要ショックを和らげ、成長を促進することができましたが、インフレとのトレードオフは限定的でした(グラフの緑の線)。

グレート・モデレーションの終焉は、グラフのオレンジの線が示すように、トレードオフがより顕著になることを意味します。曲線全体がシフトして長くなり、政策決定のインパクトが大きくなっています。一方の極端な場合(グラフの右下)では、中央銀行がインフレ抑制のために経済成長を阻んでいます。この場合、景気後退リスクが高まり、特に株式に悪影響が出ます。これが2022年のストーリーだとブラックロックは考えています。

もう一方の極端な場合は、中央銀行が緩和的な政策を実行し、インフレが急上昇するリスクに直面します(グラフの左上)。投資家はより高いタームプレミアムを要求するために債券価格は下落すると見込まれます。これが2023年の重要な問題になるとみています。 

結論としては、グレート・モデレーションがもたらした、株式と債券の持続的な強気相場は終わったと考えています。

執筆者

Philipp Hildebrand
ブラックロック副会長
Jean Boivin
BII ヘッド
Wei Li
BII グローバルチーフ投資ストラテジスト
Alex Brazier
BII デピュティ・ヘッド
Vivek Paul
BII ポートフォリオ・リサーチ部門ヘッド
Scott Thiel
BII チーフ債券ストラテジスト

 

重要事項
当レポートの記載内容は、ブラックロック・グループ(以下、ブラックロック)が作成した英語版レポートを、ブラックロック・ジャパン株式会社(以下、弊社)が翻訳・編集したものです。また当資料でご紹介する各資産の見通し(米ドル建て)は、米国人投資家などおもに米ドル建てで投資を行う投資家のための見通しとしてブラックロック・グループが作成したものであり、本邦投資家など日本円建てで投資を行う投資家の皆様を対象とした見通しではありません。 記載内容は、米ドル建て投資家を対象とした市場見通しの一例として、あくまでご参考情報としてご紹介することを目的とするものであり、特定の金融商品取引の勧誘を目的とするものではなく、また本邦投資家の皆様の知識、経験、リスク許容度、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的等を勘案したものではありません。記載内容はブラックロック及び弊社が信頼できると判断した資料・データ等により作成しましたが、その正確性および完全性について保証するものではありません。各種情報は過去のもの又は見通しであり、今後の運用成果を保証するものではなく、本情報を利用したことによって生じた損失等についてブラックロック及び弊社はその責任を負うものではありません。記載内容の市況や見通しは作成日現在のブラックロックの見解であり、今後の経済動向や市場環境の変化、あるいは金融取引手法の多様化に伴う変化に対応し予告なく変更される可能性があります。またブラックロックの見解、あるいはブラックロックが設定・運用するファンドにおける投資判断と必ずしも一致するものではありません。

 

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