今回のインサイト(投資の知恵)


道半ばの日本経済、これからの日本株の行方は?

世界経済は、全体としては緩やかに回復しています。中国をはじめとする一部の新興国で弱さが見られるものの、アメリカの景気は回復が続いており、ユーロ圏も底堅く推移しています。日本経済は、アベノミクスの第一、第二の矢である日銀の金融緩和と政府の財政政策により、デフレマインドからの脱却、需給ギャップの改善を経て、富士山で言えば5合目地点まで来たと考えます。ここから山頂を目指すには民による経済の活性化が必要で、「賃金の増加」、「消費の拡大」、「企業業績の拡大」、「投資の増加」といったパスを通じて経済の好循環につながるかどうかにかかっています。これらがポジティブなサイクルに入り、さらなる成長を目指すには、日本経済全体の生産性を高めることが重要なポイントとなるでしょう。今回のiThinkingでは、これらのポイントを見ていきます。

 

賃金の増加


図表1のとおり、実質所得は上昇傾向にあり、労働市場の需給も逼迫してきています。正規社員が増加し、一人当たりの賃金も上昇している中、パートタイムでの労働参加も増え始め、世帯あたりの所得は上昇傾向にあります。また、雇用者数自体は増加傾向にあるため、経済全体での賃金のパイは大きくなっています。

 

消費の拡大


経済産業省の商業動態統計によると、2007年から2014年末までの間に国内消費の総額は約10%増加しています。また、世帯あたり所得の拡大を受けて、直近6月までの百貨店売上高(東京地区)は、既存店ベースで5.9%増となり、3カ月連続で前年実績を上回りました。

直近の2015年3月~5月の小売企業の決算では、比較的好調な企業が多く、百貨店、コンビニ、スーパーの他、大型専門店等の業績からも、消費が上向き始めていると考えています。今後、足許の賃金上昇が続けば、消費の動向が上向くことが期待されます。

企業業績の改善


消費の拡大を受けて、企業業績の改善も見られます。内閣府のデータによると、2015年3月期の東証上場企業2,158社の純利益の合計は、21.3兆円 と市場初の20兆円を越えました。また、2016年3月期の利益見通しについても、堅調に推移することが予想されています。

出所:内閣府ホームページ 「日本再興戦略」 改訂 2015 - 未来への投資・生産性革命 - これまでの改革の主な成果と新たな取組(概要)

出所:日本経済新聞社 各年の同紙掲載日及び母集団は以下の通り。
2011年5月25日付 同年5月23日までに前期決算を発表した3月期企業(金融、新興国企業を除く)1479社の純利益
2012年5月17日付 同年5月16日までに前期決算を発表した3月期企業(金融、電力などを除く)1471社の最終損益
2013年5月18日付 同年5月17日までに前期決算を発表した 3月期企業(金融、電力などを除く)1500社の最終損益
2014年5月17日付 同年5月16日までに前期決算を発表した3月期企業(金融、電力などを除く)1516社の純利益
2015年5月19日付 同年5月18日までに前期決算を発表した3月期企業(金融、電力などを除く)1490社の純利益

 

投資の増加 (設備投資)


日本経済新聞社がまとめた、2015年度の設備投資動向調査によると、2015年度のIT(情報技術)関連投資は、前年実績比で17.2%増加すると予想されています。調査では、既存設備の更新需要のみならず、新たな製品やサービスに向けた投資が増加している点が注目されます。特に日本経済の生産性の改善という点から、国内総生産(GDP)の7割を占めるサービス業のICT投資に着目しています。

例えば、小売では実店舗かネットかの選択ではなく、実店舗とネットを融合させる「オムニチャネル戦略」が日本でも拡がり始めています。これは、ネットで購入した商品を店舗で受け取れたり、店舗に在庫がなくてもネットにあればその場で購入できたりするサービスですが、その為には、膨大なシステム投資が必要で、店舗とECの在庫管理、顧客管理を一元化することが重要になります。さらに、これらの統合により集めたビッグデータを活用することで、よりよいサービスが生まれる可能性があります。

また、金融、宿泊・飲食、医療などをはじめとするサービス業では、ITを活用してさらに質の高いサービスを提供しようとする取り組みもみられます。例えば、実店舗でロボットを活用し、案内や受付、その他の比較的単純な作業をロボットにまかせることで、人がより付加価値の高い仕事に従事することができ、サービス業の生産性が向上する可能性があります。これらの取り組みは実際に、金融、宿泊、飲食業などでみられはじめています。さらに、医療の分野では、遠隔医療や手術映像の配信を目的とした映像・編集システムの導入や、医療機関の相互連携(診察情報の共有)をサポートするシステム、3Dや4Kといった技術を活用した最先端医療を実現する設備の導入などもみられます。このことにより、より良い医療サービスの提供が可能になり、関連する様々な企業の分野で成長が期待できると考えられます。

このように、ITを活用し、より良いサービスを提供する企業が多く生まれれば、長期的な日本経済の生産性の向上とそれに伴う経済成長が見込まれます。

五合目のアベノミクス、官から民の主役交代が成功の鍵に


アベノミクスとともに2012年末にスタートした、日銀の質的・量的金融緩和と財政政策によって2013年後半には3合目まで登った日本経済ですが、円安による輸出増の効果が小さかったこと、また、資産効果も米国に比べて小さく、状況は長続きしませんでした。加えて、昨年4月に消費税を8%に引き上げたことで、2合目まで逆戻りしてしまいました。

その後、昨年10月末に日銀が追加緩和を行い、安倍政権も第3の矢、とりわけコーポレートガバナンスの整備に着手したことによって、現在はようやく5合目まで到達した状況と考えています。

もっとも、富士山も5合目までは誰でも車で登ることができますが、そこから先は一人ひとりが歩いて頂上を目指すしかありません。これまでは政府や日銀が車で運んでくれましたが、今後は各企業が自力で競争力を高めていかなければなりません。

サービス産業がITを活用した生産性の向上を実現できるかどうかが、今後の日本の経済成長の行方を占う上でのキーポイントの一つとなるでしょう。


(イメージ図、クリックして拡大)



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