ブラックロックの見解

株式市場 失神の背景

世界の株式市場は史上最高値の更新を続けた後で2月初頭に急落しました。ブラックロックは、今回の下落について、株式市場の低ボラティリティが続くことを見込んだ取引が集中し、それが解消されたことが主因と考えています。投資家のセンチメントの変化は市場に大きな変動をもたらす可能性があり、短期的な見通しは非常に不透明です。しかし、投資家は長期の視点に立つことが重要であると考えています。ブラックロックは経済の見通しが上向きかつ安定的に推移する確度は高く、今回の株式市場の調整局面はリスク資産にとって魅力的な投資機会になるとみています。

低いボラティリティの動きに着目してレバレッジをかけた金融商品によって下落が増幅されたと考えています。株式市場が上昇し、市場への資金流入が過去最高を記録する中で、金利が急上昇したことに対し投資家が神経質に反応したことに端を発したようにみえます。こうした商品は米国のボラティリティ指数(VIX指数)が下落するか、もしくは低水準にとどまることを見越して設計された商品です。ブラックロックは今回の下落が概ね株式市場に限られた動きであると考えています。急激なボラティリティの上昇は、クレジットや為替など他の資産に広がってはいないとみています。

ブラックロックはこれまで一貫して、仕組みが整備されているETP(上場投資商品)は投資家、証券市場双方にとって有益であると主張し、同時に、市場と逆の動きをする商品やレバレッジをかけた商品に対して懸念を表明してきました(「2018年のグローバル投資環境見通し」ご参照)。これらは、指数と逆の動き、もしくは指数のリターンの何倍もの値動きをするよう設計された証券やコモディティで構成されています。流動性は少なく、市場にストレスがかかった状態になると、現物資産を裏付けとする通常のETF(上場投資信託)のような動きにはなりません。これらはバリュエーションの透明性や市場へのアクセス性といった金融商品の基本的な要素が欠けていると考えており、透明性のある資産によって裏付けられていないことも見受けられます。ブラックロックはこうした商品の提供には消極的です。

ボラティリティが一時的に急上昇することは、ボラティリティが低いレジームにおいても起こることだと考えています。ただし、ボラティリティが低い状況が続くとはいえ、市場が2017年にみられたような、ボラティリティが異常に低い状態に戻ることを必ずしも示唆するものではないとも考えています。金融市場のレジームの転換には通常、景気の悪化、もしくはマクロ経済の変動性の上昇を伴ってきました。マクロ経済のボラティリティが低い期間には、株式市場の下落は短期間であり、回復も早いことがブラックロックの分析では示されています。つまり、今回の株式市場の下落は、魅力的な投資機会になると考えています。

世界同時景気拡大は2018年も続くとみています。ブラックロックのマクロGPS(ブラックロック独自の経済予想モデル)は、G7諸国の経済が、過去3年で最も高い水準にとどまることを示唆しています(P2図1参照)。市場は米国の財政刺激策を盛り込み、予想を引き上げる中で、GPSの水準に追いついてきました。良好な経済指標が世界で散見され、直近では中国やユーロ圏が発表しています。

米国の景気拡大は、過去最長を記録するペースにあり、息切れの不安も出てきています。しかしブラックロックの試算では、先日成立した税制改革や財政支出の拡大によって米国のGDPは0.8%ポイント押し上げられる可能性があるとみています。経済成長は加速する方向に向かうでしょう。また、景気の押し上げ効果により、今回の景気サイクルの終わりが早まり、2年もしくは3年程度になるかもしれません。景気過熱の圧力が弱まれば、景気拡大期間はより長く続く可能性があります。ブラックロックが株式、特に新興国の株式を選好するのは今回の景気拡大局面が当面続くと考えているためです。

金融市場は先週、ブラックロックが2018年の主要なテーマとして挙げていた「米国におけるインフレの緩やかな回復」に目が覚めたかのように反応しました(P2図2参照) 。2日に発表された米国の雇用と賃金のデータを受けて、10年債の利回りが4年ぶりの高水準に達しました。ブラックロックは利回りがこの水準から緩やかに上昇するとみており、債券よりも(今回の下落で価格が見直された)株式を選好します。株式は、世界的に堅調な企業業績のモメンタムによって下支えされています。また、今回市場が混乱に陥ったことで、金利上昇のペースに焦点が当たっていることが改めて想起されたと考えています。

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※記載内容は、ブラックロック・グループ(以下、ブラックロック)が作成した英語版レポートを基に、ブラックロック・ジャパン株式会社(以下、弊社)が翻訳・編集したものです。記載内容は、情報提供を目的として作成されたものであり、特定の金融商品取引の勧誘を目的とするものではありません。また、ブラックロック・グループの見解、あるいはブラックロック・グループが設定・運用するファンドにおける投資判断と必ずしも一致するものではありません。
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