貯蓄から投資へ

57%の日本人が貯蓄から投資への移行を検討しているものの、現金比率は前回より増加し、75%と非常に高い。投資への確信や自信を持っている人がグローバルと比較して少ないことも要因と考えられる。

図表:現在保有している金融資産の構成比は?

現金の保有比率は75%と非常に高い

貯蓄から投資への移行が望まれる中、現状では大きな変化は起こっていないようです。

日本人の金融資産における預貯金の比率は、マイナス金利の状況でも75%と前回調査の69%から増加し、過去の調査結果と同様、グローバルと比較して現預金を好む傾向が強いという結果になりました。

前回調査を行った2015年の年央以降は、チャイナショック等により不安定な相場展開となり、株価下落や投資マインドの悪化などにより、株式比率が低下したことが背景の一つと考えられます。

また、資金面の優先事項を聞くと、「貯蓄に励むこと」が48%と最も高く、25歳から34歳では56%と、この傾向は年齢が若いほど顕著となりました。

約6割の日本人が、
預貯金から投資に回すことを検討

貯蓄から投資の流れが進展していない一方で、約6割の日本人が、「過去1年以内に、預貯金を投資に回すことを検討した」と回答しました。この比率は、他の先進国より高かったこともわかりました。(米国45%、イギリス40%、ドイツ35%)

預貯金を投資に回すことを検討したことがないと回答した人に、その理由を尋ねると、「元本が割れるリスクを懸念している」が35%と最も多く、「投資を検討するほどの額ではない」が31%、「投資には向いていない」が30%、「投資について十分理解していない」が26%との回答が続きました。

さらに、投資に回すことを検討したことがある日本人に、投資をする際に、最も重視することを聞くと、「投資元本の安全性」が40%と最も多く、投資に回すことを検討しているかどうかに関わらず、投資元本の安全性を重視する志向が強いことが、改めて浮き彫りになりました。

図表:預貯金から投資に回すことを検討したことがありますか?

多くの日本人が、投資に関して自信や確信を持っていない

貯蓄から投資への移行が進まない原因として、日本人は投資に関して、自信や確信を持っている人の比率が低いことが挙げられるかもしれません。

自分の将来の経済状況を管理できていると感じている日本人は4分の1程度に過ぎず、グローバルの46%を大きく下回りました。

また、海外市場への投資や、株式投資に対する意欲も、グローバルと比較すると、大幅に下回る結果になりました。

図表:以下に同意しますか?

投資行動は変わっていないもののマイナス金利は懸念されている

マイナス金利に関して、約半数の日本人が自身の将来の経済状況に悪い影響を与えると回答しました。この傾向は、年齢が上がるほど高くなり、65-74歳に関しては、62%が悪い影響を与えると回答しました。他国の状況を見ると、日本に先行してマイナス金利が導入された欧州(ドイツ、オランダ等)は、マイナス金利や異例の低金利に対してネガティブに考える人が多かった一方で、マイナス金利が導入されていない米国では、ポジティブに考える人が多かったのが特徴的でした。

また、マイナス金利を受けて投資スタイルを変更することを検討している人は20%に留まっていることから、投資行動を変えている人は少ないものと思われます。

図表:マイナス金利または低金利が、あなたの将来の経済状況に与える影響についてどのように考えますか?

調査の詳細
本調査はインターネットを通じて、日本の個人1,000名(25歳~74歳、男性469名、女性531名。金融資産1,000万円以上のマス富裕層382名を含む)から回答を得ました。グローバルに実施し、日本の投資家意識の調査のみならずグローバルとの比較が可能となっています。なお、日本以外の対象国/地域は、米国、カナダ、メキシコ、コロンビア、ブラジル、チリ、英国、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス、オランダ、スウェーデン、中国、香港、シンガポール、台湾となっています。調査は、2017年1月に行われました。

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