ブラックロックの見解

イタリア総選挙:
ポピュリスト政党の動向

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イタリアの総選挙の結果、どの政党/連合も単独で政権樹立に必要な過半数の票を獲得できない、いわゆるハング・パーラメントの状態となりました。ポピュリスト政党の躍進によりイタリアの政治の先行きは複雑さを増していますが、そうした不透明さを相殺するかのようにドイツでは新しい政権がまもなく発足する見通しです。ブラックロックはイタリアに加え、ユーロ圏周辺国の国債に金利上昇圧力がかかる可能性があるとみていますが、ユーロ圏やその他の欧州地域の株式にとってマイナス要因として残ることはないと考えています。

中道右派連合の中では、「同盟」が、ベルルスコーニ元首相率いる「フォルツァ・イタリア」を得票数で上回りました。ポピュリズム政党の「五つ星運動」は事前の予想以上に票を伸ばし、今後の政権樹立の要になるとみられます。しかし、選挙運動ではどの政党も反ユーロの主張を前面に出さず、国内問題を重要な争点としました。昨年、フランスでマリーヌ・ルペン氏率いる国民戦線が敗北したことを受けて、ユーロに対して懐疑的な政党ですら、ユーロ離脱の主張を後退させました。選挙期間を通じて、反EU感情に訴える動きはあまりみられませんでした。

ブラックロックは、「五つ星運動」が「同盟」と連立政権を組む可能性は低いと考えています。「同盟」が強く望んでいることは、「五つ星運動」との不安定な連立政権に小政党パートナーとして加わることではなく、中道右派連合を率いることだと思われます。今後次第に影響力をもつようになる可能性がある「五つ星運動」と中道左派の民主党は、いずれかの時点で互いに歩み寄る可能性があるとみています。イタリアの新議会は3月23日までに招集する必要がありますが、連立に向けた交渉はこの期限以降も長引く可能性があるでしょう。持続的な連立政権が発足するまで、政治的な迷走は続く模様です。

しかし、同時にイタリアの堅調な経済成長によって、足元の経済への打撃はある程度緩和されるとみています。長引く政治的な不透明感が足かせになると思われますが、2018年~2019年のイタリアの実質GDP成長率は1.5%程度に落ち着くと考えています。債務残高のGDP比率は年内に低下に転じる見込みです。イタリアの銀行セクターは危機を脱し、多額にのぼる不良債権の処理を進めていると考えています。

足元では、夏以降に再選挙が実施される可能性が高まっているとみています。「同盟」や「五つ星運動」を含む政権も欧州連合、特に、移民政策に反対姿勢をとると思われます。これらの政党が参加する政権の下では、財政規律や経済改革が一部後退する可能性があると考えています。

ブラックロックは、ドイツの新政権発足は欧州の統合深化に向けた機運が再び高まる良い兆候だと考えています。社会民主党(SPD)は2018年3月4日に投票を実施し、連立への参加を決定しました。EU支持の社会民主党から財務相や外務相といった主要な閣僚ポストに就任することになるとみられます。新政権が成立し、企業の景況感は向上し、欧州中央銀行(ECB)はドイツの経済成長とインフレ見通しに対する自信を強めると思われます。

一方、英国のEU離脱交渉に関する重要な日程が近づき、3月22~23日にはブリュッセルで欧州理事会の会合が開催されます。英国では移行措置に関する交渉で合意に達し、2019年3月にEUから一気に離脱するような事態を免れることへの期待が高まっています。ただし、見通しは不透明であるため、 EU離脱交渉の動向に影響を受けやすいと思われる英国ポンド等は、会合に先立ってボラティリティが上昇するとみています。企業は移行をめぐる交渉の内容が明らかになった時点で、不測の事態に備えて対応策を判断するでしょう。アイルランド国境を巡る問題は、移行をめぐる交渉の合意内容にかかわらず、先送りされる可能性が高いとみられます。

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