2020 MIDYEAR GLOBAL OUTLOOK

真の耐性

強烈な勢いを伴う構造的トレンドの強まりはポートフォリオ分散の性質を変えるものとみられます。分断が進む世界では、国・地域やセクターが再び分散の物差しとなり、実体経済のトレンドへの柔軟な対応を可能にすると考えます。

 

プライベート市場の発展
プライベート市場の成⾧(2000年~2019年)

プライベート市場の成⾧(2000年~2019年)

出所:BlackRock Investment Institute。Preqinのデータを使用。2020年6月時点。注記:棒グラフはクローズドエンド型ファンドの純資産価額の合計と、プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタル、不動産、プライベート・デット、インフラ、天然資源の各資産クラスのドライパウダー(投資待機資金)を示しています。折れ線グラフは、公開市場と比較したプライベート市場の規模を示しています。

 

  • 構造的な変化に伴い、ポートフォリオの耐性が試されています。政策の変革によってイールドカーブのフラット化が限界に近付いており、戦略的なアロケーションにおける国債への分散効果は低下しているとブラックロックは考えます。
  • 気候変動のもたらす物理的影響ならびに規制による影響や、他のサステナビリティ関連のリスクにさらされる資産は少なくありません。新型コロナウイルスの感染拡大により、脆弱なサプライチェーンと企業経営に求められる「社会的ライセンス」(企業の事業活動継続には、地域社会など幅広い利害関係者からの承認が必要との考え方)への懸念が広がり、サステナブル投資へと向かうトレンドが強まっています。
  • 米中両国はさまざまな領域で対立を深めており、世界の二極化が進んでいます。両極いずれに投資しても制約を受ける可能性を念頭に置きながら、投資家はバランスのとれたエクスポージャーを心掛ける必要があります。地政学的な分断の急激な進行は、国や地域への計画的な投資分散を通じて、ポートフォリオの耐性が高まることを意味しています。
  • 投資家はこうした環境における不確実性を甘受しなければなりません。ブラックロックはポートフォリオの構築に際して、⾧期的な平均リターンの不確実性を考慮に入れることを明示しています。コロナショックはポートフォリオの耐性を高めるうえで不確実性が重要であるということを浮き彫りにしました。
  • すべての投資家にとって好ましい状況にあるというわけではありませんが、プライベート市場には可能性があります。マネージャーは投資のストラクチャーについて発言権を有し、投資家のニーズに合わせてポートフォリオの耐性を強化することができます。プライベート市場では、公開市場にはまだ出てきていない、新たなテクノロジーなど実体経済の潮流に対するエクスポージャーを取ることができるとブラックロックは考えています。プライベート市場の規模は拡大し、厚みも増しています。上に掲げた「プライベート市場の発展」をご参照ください。

結論:ポートフォリオの耐性を構造的に高めるには、公開市場におけるさまざまな資産クラスの相関に頼るだけでなく、地域、国、企業の依拠するテーマを考えたうえでポートフォリオを構築することが重要です。

戦略へのインプリケーション:サステナビリティに優れた資産、プライベート市場、熟慮を重ねたうえでの国ごとの分散を選好します。

戦術へのインプリケーション:クオリティ・ファクターのオーバーウェイトを一段引き上げ、政策の後ろ盾のある資産を選好します。

執筆者
Philipp Hildebrand
ブラックロック副会長
Jean Boivin
BIIヘッド
Elga Bartsch
BIIマクロリサーチヘッド
Mike Pyle
BIIチーフインベストメントストラテジスト
Scott Thiel
BIIチーフ債券ストラテジスト

重要事項
当レポートの記載内容は、ブラックロック・グループ(以下、ブラックロック)が作成した英語版レポートを、ブラックロック・ジャパン株式会社(以下、弊社)が翻訳・編集したものです。また当資料でご紹介する各資産の見通し(米ドル建て)は、米国人投資家などおもに米ドル建てで投資を行う投資家のための見通しとしてブラックロック・グループが作成したものであり、本邦投資家など日本円建てで投資を行う投資家の皆様を対象とした見通しではありません。 記載内容は、米ドル建て投資家を対象とした市場見通しの一例として、あくまでご参考情報としてご紹介することを目的とするものであり、特定の金融商品取引の勧誘を目的とするものではなく、また本邦投資家の皆様の知識、経験、リスク許容度、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的等を勘案したものではありません。記載内容はブラックロック及び弊社が信頼できると判断した資料・データ等により作成しましたが、その正確性および完全性について保証するものではありません。各種情報は過去のもの又は見通しであり、今後の運用成果を保証するものではなく、本情報を利用したことによって生じた損失等についてブラックロック及び弊社はその責任を負うものではありません。記載内容の市況や見通しは作成日現在のブラックロックの見解であり、今後の経済動向や市場環境の変化、あるいは金融取引手法の多様化に伴う変化に対応し予告なく変更される可能性があります。またブラックロックの見解、あるいはブラックロックが設定・運用するファンドにおける投資判断と必ずしも一致するものではありません。

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