2020 MIDYEAR GLOBAL OUTLOOK

経済活動の再開

経済活動は徐々に再開されていますが、そのペースはまちまちです。ブラックロックはウイルス感染の行方や人の移動をチェックしています。活動再開までの期間が⾧くなるほど、金融システムに生じる亀裂は深くなる可能性があります。

 

影響は非対照的
人の移動とロックダウンの厳しさがサービスセクターに及ぼす影響:2020年6月

人の移動とロックダウンの厳しさがサービスセクターに及ぼす影響:2020年6月

出所:BlackRock Investment Institute、オックスフォード大学およびGoogle、Haver Analyticsのデータを使用。2020年6月現在。注記:上の図は、消費者の移動とロックダウンの厳しさのスコアが10ポイント上下に変動した場合、米国、日本、フランス、英国、カナダ、スペイン、イタリア、ドイツおよびスウェーデンのサービスセクターにどのような影響を及ぼすかを示しています。人の移動についてはGoogleの小売および娯楽セクターの活動に関するデータを、ロックダウンの厳格さについてはオックスフォード大学のデータを参照しています。「厳格さ」とは、ロックダウンが厳格化され、人の移動が減少したことを表します。人の移動がサービスセクターの活動に及ぼす影響と、 厳格化された場合と緩和された場合の違いは、パネル回帰分析を用いて測定しています。

 

  • 人の移動は、コロナショックをチェックする際の鍵となります。携帯電話の位置データを活用し人の移動を追跡するなどして、その行動を把握することができます。ブラックロックの分析では、ロックダウンの厳しさよりも、人の行動変容が経済 活動と密接に結びついている、との結果が出ました。
  • 感染拡大防止のために人の移動を抑えた場合には、景気刺激策だけを実施した場合と比べ、経済への影響は大きいと言えます。上に掲げた「影響は非対照的」という図をご覧ください。
  • 経済活動の正常化が遅れるほど、景気への打撃は大きくなるとみられます。ブラックロックは、 経済活動が再開する中で、感染封じ込め策、人の移動の増減、そして経済活動が相互におよぼす関係をチェックしています。
  • 人の移動に関するブラックロックの調査から、先進国の中で米国は最も感染再拡大のリスクが高いことがわかりました。一方、中国は他国に先駆けて経済活動再開へ踏み切りました。
  • 足元のパンデミックは、社会の嗜好の変化、既存のビジネスの修正、デジタル化、そして世界のサプライチェーンの再編などを通じて、投資に長期的な影響を及ぼすとみられます。こうした状況にうまく対処するには、代替的な情報源の活用が極めて重要となります。

結論:人の移動の増減はロックダウンの厳しさよりも経済活動と密接に結びついていることがわかりました。投資家が政府の規制よりも行動変容に注目すべきであることを示唆しています。

戦略へのインプリケーション:一定程度のリスク選好のスタンスを取り、クレジットをオーバーウェイトしています。

戦術へのインプリケーション:シクリカルな資産のアンダーウェイトを取り消すとともに、欧州を選好しています。

執筆者
Philipp Hildebrand
ブラックロック副会長
Jean Boivin
BIIヘッド
Elga Bartsch
BIIマクロリサーチヘッド
Mike Pyle
BIIチーフインベストメントストラテジスト
Scott Thiel
BIIチーフ債券ストラテジスト

重要事項
当レポートの記載内容は、ブラックロック・グループ(以下、ブラックロック)が作成した英語版レポートを、ブラックロック・ジャパン株式会社(以下、弊社)が翻訳・編集したものです。また当資料でご紹介する各資産の見通し(米ドル建て)は、米国人投資家などおもに米ドル建てで投資を行う投資家のための見通しとしてブラックロック・グループが作成したものであり、本邦投資家など日本円建てで投資を行う投資家の皆様を対象とした見通しではありません。 記載内容は、米ドル建て投資家を対象とした市場見通しの一例として、あくまでご参考情報としてご紹介することを目的とするものであり、特定の金融商品取引の勧誘を目的とするものではなく、また本邦投資家の皆様の知識、経験、リスク許容度、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的等を勘案したものではありません。記載内容はブラックロック及び弊社が信頼できると判断した資料・データ等により作成しましたが、その正確性および完全性について保証するものではありません。各種情報は過去のもの又は見通しであり、今後の運用成果を保証するものではなく、本情報を利用したことによって生じた損失等についてブラックロック及び弊社はその責任を負うものではありません。記載内容の市況や見通しは作成日現在のブラックロックの見解であり、今後の経済動向や市場環境の変化、あるいは金融取引手法の多様化に伴う変化に対応し予告なく変更される可能性があります。またブラックロックの見解、あるいはブラックロックが設定・運用するファンドにおける投資判断と必ずしも一致するものではありません。

MKTGH0720A-1250179